更年期と健康①
月刊DANASS 2月号発行日2026年1月22日(木)
健康ですか?-Are you healthy?
医療法人 健生会 産婦人科専門医 竹下 亮輔「更年期と健康①」
「健康ですか?」のコラムは、これまで父・竹下敏光医師が20年にわたり書き続けてきた連載です。前回をもって一区切りとなりましたが、その思いを引き継ぎ、これからは息子である私、竹下亮輔が担当させていただくことになりました。どうぞ今後ともよろしくお願いいたします。
さて、今回から数回にわたり「更年期」をテーマにお話ししていきます。
更年期とは、閉経を挟んだ前後5年、合わせておよそ10年間が目安とされています。日本人の閉経年齢は平均して50歳前後と言われていますので、50歳で閉経した場合、更年期は45歳から55歳となります。
女性のライフステージに大きく影響するのが卵巣から分泌される「エストロゲン」という女性ホルモンです。30代後半より、エストロゲンの分泌量が段々と減っていき、閉経直前は一気に乱高下します。そして閉経後には、男性よりも低い値で一定となっていきます。
エストロゲンがある状態から、ない状態へ慣れていくための約10年間を「更年期」といっても良いでしょう。ちなみに、「閉経」とは月経が完全になくなった状態を指します。12か月間月経がなければ閉経とみなします。例えば去年の2月に最後の月経が来て、今年の2月まで月経がなかったとしたら、去年の2月に閉経したといえるということです。
外来でよく聞くのは、「急に顔が熱くなる、ほてる」「汗が止まらない」「以前より疲れやすい」といった体の症状です。加えて、不眠、気分の落ち込み、イライラ、不安感など、心の不調を訴える方も少なくありません。これらが重なって日常生活に支障をきたす状態を「更年期障害」と呼びます。更年期は女性なら誰にでも訪れますが、自分には更年期がなかったという方は更年期障害がなかったという意味かもしれません。
更年期の症状は人それぞれです。血液検査だけで簡単に診断がつくものではありません。甲状腺疾患やうつ病など、似た症状を示す別の病気が隠れていることもあります。年齢のせいかな?と一人で抱え込まず、つらさを感じたら医療機関に相談することが大切です。
私自身、ランニングを続けていますが、年齢や体調によって走り方を変える必要があることを実感しています。無理に若い頃と同じペースで走ろうとすれば、体は悲鳴を上げます。更年期もそれと似ている部分があり、「自分のからだと相談しよう」という時期なのだと思います。次回も更年期について深堀りしていきます。






