認知症予防と健康 その3

今年3月に「アルツハイマー病の真実と終焉」という本が発売されました。
この手の一般書は、まゆつばものが多くあまり信用できないのですが、この本は違います。著者はアルツハイマー病の研究を30年以上続けてきた一流の研究者でアメリカ人のデール・プレデセン先生です。
 プレデセン先生は学術誌の論文も沢山発表しているのですが、自分の提唱する方法を少しでも早く広めて少しでも多くの患者さんを救いたいとの思いで一般書を書くことにしたようです。2017年8月にアメリカにおいて英語で出版され、日本語版は2018年3月出版と、すぐ翻訳されています。
 アルツハイマー病は、アミロイド仮説と言われる脳にアミロイドベータが溜まることが原因と考えられてきました。そして脳内のアミロイドベータを減らす薬を作ることに力が注がれ世界中でことごとく失敗してきたのです。
 しかし、プレデセン先生の研究によりアルツハイマー病の本当の原因が分かったのです。
それは、
1.感染、食事そのほかの原因による炎症
2.補助的な栄養素、ホルモン、その他脳の栄養となる分子の不足
3 金属や生物毒素などの有害物質   の3つです。
それらをもっと詳しく「36の要因」を特定しました。その要因を検査により見つけ出し、その要因を正常にするだけでなく最適値にする方法をリコード法と名付けました。
 リコードはReversal of Cognitive Decline(認知機能低下を元に戻す)を意味する英語の頭文字をつなげて作った造語です。
 アルツハイマー病の患者さんを対象にリコード法を行ったところ、約9割に回復が認められたとプレデセン先生達は2014年に医学雑誌に発表しています。9割有効とは驚きですね。
「36の要因」の内容については次回に紹介しますが、食事はグルテンフリー、糖質制限が有効なようです。
                             (竹下敏光)

2019年04月27日