歯周病と健康

 世界では新型コロナの感染のパンデミックが続き、収束はまだまだ見えてきません。
 今回は「世界的規模で蔓延している、人類史上最大の感染症」として2001年にギネス認定された歯周病についてです。
 2017年の厚生労働省が実施した日本人の調査では、歯周病患者数は398万人でしたが、
これは歯科で治療を受けている患者数で、歯周病は未治療の患者が多いので、実際の患者数ははるかに多くなります。
 実際日本人の有病率を見ると、20代ですでに71.1%もあり、年代とともに上昇し、80代では何と90.2%の方が罹患しています。さすが、ギネスが世界一と認定しただけのことはあります。
 この歯周病、治療して治り将来的に悪影響を及ぼさないなら良いのですが、実際は違います。歯周病は、歯を失う原因で虫歯を抜いて一位になりました。さらに、心筋梗塞、脳卒中、骨粗鬆症、誤嚥性肺炎、認知症、そしてなんと早産にも悪影響を及ぼすことが最近の研究で明らかになっています。
 たかが歯周病と侮らずに、しっかり予防することが大切です。
 歯周病の原因は細菌です。人間の口の中には、なんと直腸と同じぐらいの濃度で細菌が住んでいます。その種類は数千種類と言われ、腸内細菌と同様に、善玉菌、日和見菌、悪玉菌に分けられ口内細菌叢を形成しています。
 出産時に母親から菌をもらう事を初めとして、その後沢山の種類の菌をもらい、30歳頃には口内細菌叢が完成します。歯周病になりやすいかどうかはどの時ある程度決まります。
 口内細菌叢の良し悪しは親からもらいますが、自分でよい状態にできる方法があります。それは歯磨きです。
 歯に付着している細菌の固まりをプラークと言いますが、歯磨きはプラークをできにくくしますが、正しい方法で10から15分と充分な時間をかける必要があります。
 また、症状がなくても定期的に歯科受診し、プラークコントロールしてもらうことをお勧めします。
                                                                            (竹下敏光)

2022年04月01日